浅田真央選手へ 自分のためにスケートを追求してください
フランスのテロ事件で、フランス大会が中止になって以降、
フィギュアスケートの記事を更新すること以外にやることがあるのではないかと、考えてしまう自分がいました。
それでも、生中継で試合を見ることのできる、年に一度のチャンスである大好きなNHK杯を見ていて、
一言だけどうしても言わなければならないと感じたことがあります。
浅田真央選手が、「明子の部屋」のインタビューで、
「たくさんの方が応援してくださって、その気持ちに答えることが出来ず、申し訳ない気持ちと悔しい気持ちがあります。」
と言っていました。
浅田選手へ、観客は、勝手にあなたを応援しているだけです。
みなさんの期待に応えられずにすみません。などど思う必要は一切ありません。
どうかどうか、大好きなスケートを心から楽しみ、自分のできる最高のレベルに挑戦するという
ワクワクするような試みを心から楽しんでください。
それが、競技に復帰した一番の理由のはずです。
応援してくれる人のためなど、考える必要はいっさいないのです。
アスリートである以上、勝負に勝つことに重きを置くのは当然なのですが、浅田真央のすごいところは、
自分を曲げず、挑戦し続けるというところです。
勝つことだけではなく、挑戦するということの大切さを教えてくれたのが、浅田真央選手なのです。
浅田選手が今、挑戦しているのは、フィギュアスケーター誰もが夢見る最高レベルの挑戦です。
高い技術力を維持したまま、プログラムの芸術性を表現するということ。
女子で出来うる最高峰のレベルの技術力で、素晴らしい芸術性あふれるプログラムを表現しようとしているのです。
技術的には、試合ごとに出来不出来があって当たり前。むしろすべて完璧にすべれたら、人間ではありません。
浅田選手が、ジャンプに失敗したからといって、「ダメだな」などと思うファンは一人もいません。
なぜなら、ジャンプだけではない、スピン、ステップ、スケーティングスキル、さらにはプログラムの表現力など、
今シーズンは、今までにない高みのものを披露してくれています。
ジャンプがすべて失敗したとしても蝶々夫人の世界感を十分に感じることができます。
マスコミは、「真央アクセル失敗」などと執拗に書き立てますが、それは、視聴率が取れたり、部数が上がるからです。
フィギュアスケートファンは、そんな単純な見出しでだまされたりしません。
自分の目でしっかり演技をみていますし、マスコミに頼らないために、自らプロトコルを勉強している人もたくさんいます。
「アクセル失敗」にも、ダウングレードなのか、回転不足なのか、どれくらいマイナスされているのかと、勝手に調べて
勉強しています。
その辺のマスコミの方より、よっぽど知識があるのです。
さらに、競技に戻ってくれたことが、奇跡のようにうれしいことなので、すべての試合に勝ってほしいなどとは、まったく思っていないのです。
「勝ってほしい!」などと思っているのは、視聴率のかかるマスコミの方くらいでしょう。
フィギュアスケートファンは、もっとおおきな気持ちで、浅田選手を見守っています。
浅田選手には、今まで、私たちの勝手な期待を一身に引き受けてもらって、プレッシャーでツライ思いをさせてしまいました。
だからこそ、競技復帰したこれからの選手生活は、自分の為にスケートを滑ってもらいたいのです。
浅田選手が、悔いのないように、自分の挑戦をし続けること
それを、応援という形で見守ることができるのが、フィギュアスケートファンの喜びなのです。
結果として、優勝したり、高得点を出したりすれば、それはそれで最高にうれしいことですが、
それが応援する目的ではないのです。