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ロシア選手権2016女子フリー結果 優勝はメドベデワ

2015年年末にエカテリンブルグで行われた、ロシア選手権。

まずは、女子フリーの結果をお伝えして、トータルの結果をお知らせします。

詳しい構成は、記事の一番最後のページにプロトコルに飛べるリンクが張ってあります。

女子フリー結果

1位 エフゲニア・メドベデワ  155.44  (78.41  77.03)

このフリープログラム『ウォリスとエドワード 英国王冠をかけた恋』は、

イギリス国王エドワード8世が、アメリカ人既婚女性シンプソン夫人と恋に落ち、

彼女と結婚するために、国王の地位を退位した、という実話に基づいた映画のサウンドトラックです。

演技の冒頭、音楽を聴きながら、切ない表情から、笑顔を見せて滑りだすメドベデワ選手は、もはや女優のよう。

またもや、ノーミスの演技でした。

ほぼ、すべてのジャンプに右手をあげ、GOEをさらにアップ。ステップシークエンスでは、音楽に合わせて一つ一つステップを踏みしめ、

さらに表現力がアップしています。

技術点のGOEはトータル16.08. 3F+3Tと3S+3Tという二度の三回転三回転を決めています。

このプログラムをここまで完璧にやられてしまうと、世界選手権でも145点から150点近く点数がでると思います。

出来次第では、もしかしたら、150点を超えるかもしれません。

今シーズンは、ほぼミスをしない演技を披露していますが、世界選手権でどのような演技をしてくるのか、

非常に楽しみです。

2位 エレーナ・ラジオノワ  145.88  (72.34  73.54)

映画「タイタニック」のサウンドトラック。今シーズンは、ショートフリー共、ニコライ・モロゾフの振付です。

ノーミスの演技でした。GOEのトータルは、10.44。ステップシークエンスだけが、レベル3でした。惜しかったですね。

タイタニックは、世紀の恋愛のストーリーですが、17歳になったばかりのラジオノワ選手には、恋愛のテーマは難しいのかも。

スピードとテクニックがあるだけに、要素をこなしているという演技になりがち。

もともと、踊れる選手なので、もっとアーティスティックなプログラムがあっていると思います。

もしくは、「恋愛」のような漠然としたテーマよりは、もっとわかりやすいストーリー性のあるものを演じたほうが、

より魅力を引き出せるのでは?とかんじました。

せっかくのスピードとエネルギーが、もったいないと感じてしまいます。

3位 アンナ・ポゴリラヤ  143.08  (70.83  72.25)

ポゴリラヤ選手も、ショート、フリー共ニコライ・モロゾフの振付です。

フリーの「シェヘラザード」は、フィギュアスケートでは、定番の曲で、さまざまな選手が演じています。

私は、ポゴリラヤ選手の演技のなかで、この「シェヘラザード」のプログラムが一番好きです。

身長が伸びて、手足がより長く見えるので、ダイナミックな演技と、彼女の持っているエレガントな雰囲気の2面性が楽しめるプログラムです。

願わくば、もう少し自信を持って演じて欲しいと思っています。

ポゴリラヤ選手は、ジャンプに失敗すると、ヘコンでしまい、表情に出てしまう傾向にあると思います。

もっと自信満々の、アラビアの王女シェヘラザードを見てみたい。

ブルーのドレスも、非常に似合っています。

しかし、今回のロシア選手権は、ものすごいプレッシャーだったのでしょう。終始固い表情でした。

演技終了後の開放されたような笑顔が印象的でした。

4位 マリア・ソツコワ  135.18  (70.24  64.94)

バレエ音楽ロミオとジュリエット」のプログラム。ノーミスの演技でした。GOEは8.02。

ジャンプ、スピン、ステップすべて素晴らしですが、まだ、ジュニアなので、やはりジュニアっぽい

淡々とした演技となっていました。

せっかく「ロミオとジュリエット」の音楽で滑っているので、もう少し、ジュリエットの気持ちを

表現しても良かったのかなと思います。

ジュリエットの実年齢は、13、4歳と言われていますので、年齢の近い15歳のソツコワ選手が演じる

ジュリエットを見てみたかったです。

このソツコワ選手も、可能性をひしひしと感じさせる素晴らしい選手です。

5位 ポリーナ・ツルスカヤ  134.93 ( 68.41  66.52)

ミュージカル「チェス」のサウンドトラック。2Aのランディングがみだれましたが、ほぼ完ぺきな演技でした。

GOEは7.44。14歳で168cm。

3Lz+3T+2Tと3Lz+3Tという、2回の3Lzのコンビネーションを決めました。

この選手のジャンプ素晴らしいです。高さと幅があり、美しい。しかも、やはりプリマの足を持っていると感じます。

演技全体は、ジュニアっぽい要素をこなす演技となっているのですが、プリマの足のおかげで、より魅力的なプログラムに

変身しています。

シニアに上がってきてからも、ぜひ、このクオリティを維持して欲しい。

振付は、エテリ・トゥトベリーゼコーチ。なぜ曲を、このあまり知られていない「チェス」にしたのか不明ですが、

ツルスカヤ選手は足の使い方がうまいので、見ていて惹きつけられるものがありました。

6位 エリザベータ・トゥクタミシェワ  131.06 ( 59.08  71.98)

グリーグの「ペールギュントステファン・ランビエール振付です。

このプログラム大好きです!壮大な音楽と、怪しい雰囲気が、トゥクタミシェワ選手にピッタリだと思います。

特に、中盤のステップシークエンスは、女性ボーカルの印象的な「ソルヴェイグの歌」で怪しげに美しくすべり、

そこから、「山の魔王の宮殿にて」の音楽にのせ、どんどんテンポアップしていくところが、

大好きなポイントです。

ところが、この素敵なステップシークエンスが、レベル2という結果に。

技術的には、3Aは成功しましたがオーバーターンでマイナス0.29ポイント。

3Fはシングルに、3S+2Aは、サルコウのあとオーバーターンが入ってしまい、コンビネーションジャンプとして認定されませんでした。

成功と失敗が混在する出来となってしまいました。

このプログラムもっと見たいのですが、世界選手権の派遣はどうなるのでしょうか。

7位 アデリーナ・ソトニコワ  128.51  (57.14  73.37)

「Je suis Malade 恋の病」。プルシェンコ選手のエキシビジョンの印象が強い曲です。

技術的には、失敗の多い演技となってしまいました。3Loと3Fで転倒。3Fは単独2回となってしまいました。

GOEはわずか4・13。

休養明けで、やはり、体力がキツイですね。後半は、見ていて明らかに疲れが出てしまっています。

それでも、迫力のあるジャンプと、エネルギーに満ちた情熱あふれる演技に引き込まれました。

願わくば、ソトニコワ選手のクラシックな演技が見たいので、来シーズンもぜひ、

現役を続けて欲しいです。

演技が終わってホッとしたのか、歓喜きわまる表情をしていました。

体力さえ回復すれば、やはり、ダントツで強い選手だと思っています。復帰してくれて、本当にうれしいです。

8位 Alisa FEDICHKINA  124.88  (64.88  60.00)

演技の放送がなかった為、省略させて頂きます

9位 アリョーナ・レオノワ  124.17  (55.08  69.09)

演技の放送がなかった為、省略させて頂きます

ユリア・リプニツカヤ  121.47  (50.68  70.79)

曲は「レニングラード」。ジャンプの転倒はなかったものの、ところどころ、ランディングが乱れてしまいました。

致命的だったのは、3Lzのコンビネーションがシングルルッツ単独となってしまい、

コンビネーションジャンプが、2A+2Tの一回のみとなってしまったこと。

ショートプログラムが良かっただけに、リプニツカヤ選手自身が、自分に期待してしまったのでしょうか。

演技終了後、「あーあだめだ」というような表情をみせました。

体型の変化に、すぐ適応する人もいれば、何年も悩まされる選手もいます。

ただ、リプニツカヤ選手の場合、それだけでなく、モチベーションの問題があるのかもしれません。

気持ちと体がまったくずれてしまっているような印象をうけました。

天才少女のお株は、メドベデワ選手に奪われてしまったという状況を彼女自身どうとらえているのか少し心配です。

少なからず、こだわりがあるから、コーチを変更したのだと思うからです。

ここは、自暴自棄にならず、新コーチのもとで、新たな気持ちで挑戦する感覚で頑張ってもらいたいなぁと心から思っています。

ものすごく魅力のある選手だからです。

リプニツカヤ選手の、クラシカルな演技も見てみたいです。

ロシア選手権 女子シングル最終結果はこちらです

1位 エフゲニア・メドベデワ 234.88

2位 エレーナ・ラジオノワ  222.57

3位 アンナ・ポゴリラヤ   214.30

4位 ポリーナ・ツルスカヤ  205.46

5位 アリア・ソツコワ    201.32

6位 アデリナ・ソトニコワ  197.98

7位 ユリア・リプニツカヤ  195.24

8位 エリザベータ・トゥクミシェワ 194.74

9位 アリョーナ・レオノワ  190.32

ヨーロッパ選手権の派遣は、メドベデワ・ラジオノワ・ポゴリラヤで決定。

世界選手権については、メドベデワとラジオノワは確定、あと一人を

会議で決めるとのこと。

普通に考えれば、ポゴリラヤ選手ですが、現世界女王のトゥクタミシェワ選手を外せないし、

オリンピックチャンピオンのソトニコワ選手もいますし、

どうなるのでしょうか。

2016年2月2日現在、まだ発表されていないようです。

Rostelecom Russian Nationals 2016