浅田真央選手とトリプルアクセル
いよいよフギュアスケート女子シングルショートプログラムが今夜始まります。
公式練習をみる限り日本勢も海外勢も皆調子が良いようです。
ショートプログラムは失敗しない事が大切ですが、
浅田選手はこの四年間をかけて、冒頭のトリプルアクセルで万が一失敗しても、
高得点を取れるプログラムを作り上げてきました。
ジャンプをみるときは、足元を見て、回転が足りて着氷しているかどうか、
注目してください。
わかりずらいですが、点数が出るまでの時間に、プレビューが流れますのでその映像に注目です。
思えば、四年間のバンクバーでは、女子シングルショートプログラムでは、
単独でトリプルアクセルを飛ぶことは、ルール上出来なかったのです。
だから、SPなのにトリプルアクセルダブルトウという高難度の連続ジャンプを飛ばざるおえなかった。
バンクバー後、ルール改正が行われ、トリプルアクセルがOKになり、回転不足の減点もひじゅうがかいていされた。
浅田選手が、ショートでトリプルアクセルを飛びたい
というのは、ごく当たり前の欲求だとおもいます。
四年たっても、ショートにトリプルアクセルを入れられるのは、浅田選手だけです。
四年前にキム・ヨナ選手だけの武器と言っても過言ではなかった3ルッツ3トゥの連続ジャンプは、もはや
ロシアのリプニツカヤ選手、アメリカのグレイシー・ゴールド選手も試合で完璧に決め
ています。
キム選手が、作った
3回転3回転を入れて、GOEで点数を伸ばすという戦い方を
今では多くの選手がとりいれ、
今回のソチオリンピックでは、第4第5グループに登場する12名の選手の中で、
3回転3回転をショートに入れていないのは、
イタリアのマルケイ選手と浅田選手だけです。
世界の選手がそれだけキム選手に追いついてきたということです。
どちらが有利かといえば、3回転3回転を入れる戦法でしょう。
しかし、できるものを入れたいという浅田選手の思いを他人がとやかく言えることではありません。
本人がいっているように、トリプルアクセルをふくむ要素をミスなく終えれば、
笑顔で終われるということなのでしょう。
そうなることを本当に望みます。
しかし、世界でも屈指の名コーチである佐藤信夫コーチは、孤高の浅田選手の梶をしっかりととっています。
アクセルだけに頼らないプログラムを作り上げてきました。
それは、金メダルを狙う、世界の主流とはべつのアプローチです。
浅田選手のアクセルへのこだわりを残しつつ、金メダルへの可能性を残す。
言葉で言うことは、かんたんですが、そのように梶をとるのは相当大変だったとおもいます。
ショートプログラムのノクターンは、浅田選手の美しいショパンのノクターンの世界のなかに佐藤コーチの経験と技術が隠された可能性のあるプログラムなのです。
笑顔で終われますように!