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メドベデワ(ロシア)完全優勝そして、リプニツカヤ選手の今 スケートアメリカ女子シングル

いよいよグランプリシリーズが始まり、フィギュアスケートシーズンが始動しました。

初戦のスケートアメリカには、日本から宮原知子今井遥、中塩美悠選手が出場しました。

試合前に注目していたポイントは、世界選手権銀メダリストの宮原選手が優勝できるかどうか。

体型の変化と闘っているグレイシー・ゴールド選手とユリア・リプニツカヤ選手の仕上がり具合はどうなのか。

そして、世界ジュニア女王のメドベデワ選手が、表彰台のどの位置に食い込んでくるかということでした。

さらに、今シーズンからルール変更された部分のジャッジの反応がどうなのか、初戦だからこそ、気になるポイントを確認しておきたいと思います。

スケートアメリカ女子シングル結果

1位エフゲニア・メドベデワ(ロシア)206.01              

2位グレイシー・ゴールド(アメリカ)202.80              

3位 宮原知子(日本)188.07                     

4位エリザヴェート・トゥルシンバエワ(カザフスタン)178.56     

5位カレン・チェン(アメリカ)172.54                

6位ユリア・リプニツカヤ(ロシア)170.63

7位ニコル・ラジコワ(スロバキア)167.32

8位マライア・ベル(アメリカ)160.94

9位パク・ソヨン(韓国)159.66

10位今井遥(日本)158.65

11位中塩美悠(日本)153.29

12位アレイン・チャートランド(カナダ)148.20

           

女子ショートプログラムは、70点越えが常識の時代へ メドベデワのデビュー戦

まず、驚いたのは、世界ジュニア女王のエフゲニア・メドベデワ選手の得点。

ショートプログラム70.92(技術点39.66演技構成点31.26)という得点をたたき出しました。

世界ジュニア優勝の演技を観ていたので、素晴らしい選手が出てきたとは思っていましたが、ショートプログラムは60点台後半ぐらいに収まるのではと予想していました。ところが、予想を上回り、シニア参戦初戦から、70点の大台を超えてきました。

ジャンプの得点が1.1倍になる後半にすべてのジャンプを組み込んでおり、それがきれいに成功したことが70点を超えた要素の一つです。

しかし、驚いたのは、メドベデワ選手の演技構成点の高さです。31・26というのは、昨シーズンの世界選手権のショートプログラムで2位だったエレーナ・ラジオノワ選手とほぼ同レベルの得点。

トータルでは、ラジオノワ選手を上回っており、昨シーズンのメダリストレベルの構成点の高さとなります。

ジュニアから参戦したシーズンでこの高評価は、珍しいことかもしれません。

確かに、メドベデワ選手は、ジャンプも美しいですが、スピン、ステップ、スケーティング、スピードどれをとっても文句の付けどころがないほどの完成度。

いったい15歳の少女のどこからあの抒情的な演技があふれてくるのだろう?と疑問に感じるほどの表現力を持ち合わせています。

とにかく、切なさ物悲しさを感じさせる「抒情性」という言葉がぴったりの芸術性を感じさせます。

ステップシークエンスも、少しぎこちない場面があったにも関わらず、ショート5.10フリー5.20(基礎点は、3.90)という高評価。

フリーでは、ダブルアクセルのコンビネーションに失敗した直後に、3F+3T+2Tという超高難度の連続ジャンプに変更し成功させるという

ピンチにも焦らない対応力を発揮。こんなスゴイリカバリーをした女子選手は、記憶をたどっても他にはいません。

驚異的な15歳出現です!

とにかく、またすごい選手がロシアから現れましたね。ロシアの代表争いは、さらに厳しくなること間違いなしです。

ユリア・リプニツカヤ選手のコンディション

ソチオリンピックの「シンドラーのリスト」の少女の寂し気な表情が印象的だったリプニツカヤ選手。

17歳となり、大人の女性への成長段階に入り、とにかく身長が伸びた印象です。体型も女性らしくなり、少女から美しい女性に変身する過程にあるといえます。女子シングルの選手は、16歳くらいで一度ピークがきて、体型の変化などを経て、20歳くらいにまたスケーターとしてもピークがくると言われています。

昨シーズン世界選手権で優勝したエリザベータ・トゥクタミシェワ選手も、シニアに初参戦した次のシーズンから、体型の変化に苦しみ、ジャンプが安定しなくなっていましたが、苦しい時期を乗り越え、昨シーズン見事に世界女王の栄冠を得ることができました。

リプニツカヤ選手もあと、2年くらいは苦しい時期が続くかもしれません。

しかし、アスリートは、試練を乗り越えてこそ、さらに強くなれるもの。

思わず「あきらめずに頑張って!」と、応援したい気持ちでいっぱいになりました。

今シーズンのショートプログラムエルビスプレスリーメドレー。今までのリプニツカヤ選手とは真逆のノリノリの世界を演じています。

困難なときこそ、挑戦することが大切。

リプニツカヤ選手らしくない選曲と思いましたが、挑戦という意味では、意味のあるプログラムなのかもしれません。

少女時代を切り取ったような素晴らしいプログラムあの「シンドラーのリスト」のリプニツカヤ選手には、二度と会えないのは正直寂しい。

しかし、フィギュアスケーターとして大成するためには、これからが重要。

キスアンドクライで彼女が悲しむ表情をみるのは、こちらもツラいのですが、ファンとしては、ぐっとこらえて、成長を見守り続けたいものです。

長くなってしまったので、記事を何回かに分けます。

やはり初戦は書きたいことが多くて。。。次回以降は、宮原選手とゴールド選手について、そしてルール変更についても少し書きたいと思っています。

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