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宇野昌磨金メダルへの道のり シニアデビュー戦で2位 スケートアメリカ男子シングル

男子シングルは、地元アメリカのマックス・アーロン選手がグランプリシリーズ初優勝を果たしました。

アメリカの第3、第4の男として、なかなか表彰台の中央に上がれなかったアーロン選手。

ソチオリンピックの代表からも漏れてしまい、アメリカの仲間たちの、団体戦銅メダルを悔しい気持ちで眺めていいたことと思います。

王子様系や中性的な選手が多い男子シングル選手の中で、男らしさを前面に出した演技のできる貴重な選手なので、

今回限りではなく、安定した演技を見せ続けてくれることを望んでいます。

同じくアメリカのジェイソン・ブラウン選手は、フリーでとうとう4回転ジャンプに挑戦しました。

転倒してしまいましたが、挑戦する姿勢で3位を獲得。

ブラウン選手は、ジャンプだけではないフィギュアスケートの魅力を体現している貴重な選手です。

曲をスタートしてから終わるまで、一度も休むことなく動き続け、滑らかなスケーティングと、様々な動きを駆使した「つなぎ」部分のレベルの高さが特徴的。

ジャンプも演技の中の一つの要素として曲に溶け込み、1つの作品を「魅せる」演技では、タイプは違いますが、パトリック・チャン選手にも引け

を取らない、素晴らしいレベルに達していると思っています。

彼が、4回転ジャンプを確実なものにしたら、どのような高みにいくのでしょうか。楽しみで仕方ありません。

スケートアメリカ男子シングル結果

1位マックス・アーロン     アメリカ    258.95 パーソナルベスト

2位宇野昌磨         日本     257.43 パーソナルベスト

3位ジェイソン・ブラウン    アメリカ    238.47

4位閻涵          中国     236.03

5位コンスタンティンメンショフ ロシア     230.79

6位アディアン・ピトキーエフ ロシア     230.75 パーソナルベスト

7位ロス・マイナー     アメリカ    215.11

8位ブレンダン・ケリー     オーストラリア 203.48 パーソナルベスト

9位デニス・テン         カザフスタン 201.52

10位無良崇人         日本     200.83

11位フローラン・アモディオ   フランス    197.45

12位アレクセイ・ビチェンコ   イスラエル   171.83

宇野昌磨選手、惜しくも2位

先日の「ジャパンオープン」で、衝撃的な演技を見せてくれた宇野選手。

シニアのデビュー戦となるアメリカ大会で、プレッシャーにも負けず、再び素晴らしい演技を見せてくれました。

ショートでの4回転の失敗が悔やまれますが、頼もしいのは、本人が一番悔しがっているというところ。

アメリカに出発する前に、「やってやるぞという気持ちです」と、コメントをしていた高いモチベーションのまま、

試合を終えることができたのは、大きな収穫となるでしょう。

ジュニア王者として、1位を狙って試合に臨んだ姿は、非常に頼もしく今シーズンのさらなる成長が期待できます。

宇野選手の次回の戦いは、第4戦フランス大会。

出場メンバーは、パトリック・チャン(カナダ)、デニス・テンカザフスタン)、マキシム・コフトゥン(ロシア)、

そして今回優勝したマックス・アーロン(アメリカ)と表彰台の中央争いは、かなりシビア。

ここでも、1位を狙うモチベーションで体当たりしてもらい、ぜひとも先輩スケーターたちの度肝を抜いてもらいたいものです。

技術的には、シニアのトップスケーターたちと比べても、まったく遜色ないレベルに達しています。

あとは、「勝負」に対するモチベーションをいかに高く保ち続けるかどうかです。

マスコミ、観客、選手、コーチ陣からの注目度も上がってきますし、精神的に強くないと、シーズンを通して戦い抜けないのです。

先シーズンまで、はにかみ屋で、声の小さかった宇野選手が、今シーズンのインタビューでは、別人のようにたくましく受け答えしている姿は、

ジュニア王者としてのプライドなのでしょうか。

そういう気質が、トップスケーターになるためには、一番必要な要素なのだと思います。

宇野選手の目標である、平昌オリンピックの金メダルを獲得するためには、自信の演技を進化させ続けることも必要ですが、

先輩スケーター達にも臆さず、「俺が勝つ」というような挑戦する姿勢が、自らの精神力を高め、勝負勘を養うことになると思います。

日本には、羽生結弦という高い壁が、宇野昌磨選手の前に立ちはだかっているのです。

平昌オリンピックで、羽生選手と金メダルを争う宇野選手の姿が、現実のものとなりつつあります。

なんとも頼もしい、日本代表選手が、またひとり誕生しました。

最後に、ひとこと無良崇人選手について

以前の記事にも書いたのですが、スケーターとして稀有の才能と個性を持っている無良選手。

「ここぞ!」という場面で、その才能を十分に発揮できず、期待はずれな結果になることが多いのが、応援する上でモヤモヤするポイント。

しかし、今シーズンのプログラムは、ショート、フリー共々、非常に挑戦的で、高難度のプログラムです。

このプログラムは2シーズンくらい滑りこなさないと、やり遂げられないほど、技術、芸術面で要素が盛りだくさんの難しいプログラム。

この難しい挑戦的なプログラムを滑りこなせたときが、無良選手の覚醒するときだと思うのです。

正直、いまの段階では、まだプログラムに無良選手が負けている状況だと思います。

無良選手の次の試合は、グランプリシリーズ最終戦の日本大会。

まだ1か月先ですから、すべり込んでブラッシュアップした姿を是非見せてください。

何度、モヤモヤしたとしても、ファンは、無良選手の才能を信じているのです。